プレゼンの構成「現状・問題・課題・原因」の違いに混乱している方へ

プレゼンの構成「現状・問題・課題・原因」の違いに混乱している方へ

プレゼンのイントロダクションでは「現状と課題」を提示せよ!というのが、鉄則である。

その一方で、「課題と原因」が必要だとする指南書もある。

さらに、「課題」と「問題」の違いに困惑したり、「原因」は「課題」の裏返しではないか?と、悶々としてしまう人も多い。

誰もが一度はこんがらがる、この「現状」「問題」「課題」「原因」の違いについて、実は、「ロジックツリー」を用いると、簡単に解説できるのである。

今回は、これらの違いを、「ロジックツリー」を用いて解きほぐしていきたい。

「現状・問題・課題・原因」の原点は「ロジックツリー」

「現状」「問題」「課題」「原因」は、その意味を文章の定義であれこれ考えると、ドツボにはまる。

しかし、これらの表現は全て、「ロジックツリー」という思考ツールを原点にしていることに気づくと、モヤモヤの霧が晴れてくる。

つまり、こういうことだ。

ロジックツリーの要素名

・・・とここで、上記の解説をする前に、ロジックツリーについて、簡単に解説する。

ご存知の方は読み飛ばして、次の本題へ移ってほしい。

「ロジックツリー」とは?

「ロジックツリー」とは、以下のような図解を指す。

ロジックツリー

売上が伸びないという状況に対し、それはなぜ?という問い(イシューと呼ばれる)を立て、それを図解を使って分解し、「なぜ?」への仮説を立て、それらをさらに細分化し、それぞれの仮説の正誤をデータなどで検証し、事実を導く。

実際、このロジックツリーは、一周で終わるものではない。上記の例であれば、「百貨店以外の小売店に負けている」が正しいと検証されたのであれば、「なぜ、百貨店以外の小売店に負けているか?」という新たなイシューを立て、新しいロジックツリーをスタートさせる。

「なぜ、なぜ、なぜを繰り返せ!」とは、ロジックツリーを何周も回せ!ということなのである。

そして、何周もロジックツリーを回した後にたどり着いた「検証済みの事実」について、その解決策を、実現可能性や費用感を考慮しながら、新たなツリーで考えていく。

「ロジックツリー」と表現方法ABCの対応

では、当初の解説に戻ろう。

「現状」「問題」「課題」「原因」は、それらが、ロジックツリーのどの要素の名称なのか?という視点で考えると、その意味がすっきり分かる。

指南本の著者が、このロジックツリーの各要素を、どのように呼んでいるのかによって、「現状」「問題」「課題」「原因」と、言い回しが異なる。

表現方法Aについて。グロービス経営大学院が発行する書籍などは、「現状」と「課題」という表現の組み合わせが採用されている。

表現方法Aをさらに進化させている理論に、最近出会った。この「現状」部分を「背景」とし、「現状」⇒「ありたい姿」⇒「ありたい姿とのギャップ」の3セットで定義している「PowerPoint資料作成術・プロフェッショナルの大原則」(松上純一郎・技術評論社)である。

私見であるが、表現方法Aは、経営コンサル出身の著者が、多く採用しているようだ。

表現方法Bについては、私が資料コンサルをしている製造業の数社で、会社の共通言語として使用されていた。

表現方法Cのパターンは、ソフトバンク流「社内プレゼンの資料作成術」(前田鎌利著・ダイヤモンド社)をはじめ、事業会社出身の方の著書でお目にかかる表現だ。

経営コンサルであれば、ロジックツリーが脳に組み込まれているで、「課題」は原因分析の末に導かれているという認識が当然なのであるが、一般の方にとっては、「原因」を分けたほうが理解しやすいだろうという配慮から、この表現方法を選択されたのだろうと、勝手に推察している(違うかもしれないけど・・・)

表現方法は違っても、プレゼンのイントロダクションで明記しなければいけないのは、同じこと。

目の前で燃えていえる火が、なぜ燃えているのか?を突き止め、それを明確に聞き手に伝えてから、解決策を提示せよ!ということである。

「燃えてるよ!」だけでは、「そんなのは分かっている!」と、追い出され、塩を撒かれてしまう。

聞き手の認識と合わせる

プレゼンを勉強しているがゆえに、「現状」「課題」という話をすると、「問題」や「原因」がないじゃないか!と、怒り出す方もいるが、そうではなく・・・

「現状」=「問題」かもしれないし、「課題」=「原因」かもしれないし、ロジックツリーの要素の表現方法が違うだけだという可能性について、冷静に考えることが大切だと私は思う。

私が、様々な会社の資料コンサルに入るとき、

その業界や会社の文化として、表現方法A、B、Cのどのパターンが採用されているのか?

または、新しい表現方法があるのか?

そもそも、現状や課題という認識が存在しないのか?を、ヒアリングをしたり、社員が作った資料を見たりしながら、考えることにしている。

そして、私の表現方法も、その会社や業界の文化に合わせていく。

この部分は、非常に混乱しやすいところなので、持論を主張するのではなく、聞き手の負担を最小限にして、聞き手の文化に合わせることが、質の高いプレゼンをするための第一歩なんだろうな・・・と思うわけでありまして。

ともあれ、この「現状」「課題」(表現方法Aを採用しています)部分は、聞き手の納得・共感を得て、同じゴールを目指してもらうためにも、プレゼン資料の冒頭には必要不可欠。

ロジックツリーや、業界や会社の文化による表現方法の違いなどを理解しつつ、「現状」「課題」をきちんと示し、聞き手の心を、わしっと掴んでくださいませ!

 

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投稿者プロフィール

市川 真樹
市川 真樹プレゼン資料コンサルタント
プレゼン資料作成のスペシャリスト。
見栄えを上げる「パワーポイント術」、人や組織を動かす「スライド理論」、魅せる×伝わる「デザインの知識」をベースに、スライド作成代行サービス、企業研修・セミナーを展開中。