箇条書① 自動詞と他動詞

残念なプレゼン資料は、なぜ残念なのか?

その理由として、
「話し手が、資料を台本にしている」ことが、
真っ先に挙げられます。

大きな会場で開催されるセミナーであれ、
会議室での社内会議であれ、
上司との1対1の報告の場であれ、

文字びっしりの台本資料の朗読会では、
ライブでプレゼンをする意味がない。
それなら、資料を配付するだけで十分だ!

ここまでは、そうだよね~と、するっと納得できる内容。

しかし、さて、、、

台本資料を克服するために、どうするか?

ここで有効な手段の1つが、

「箇条書き」

そして、「箇条書き」を、
ぱぱっと資料に反映するための
デザイン&パワーポイントの知識。

今日は、私が最近、愛読している良書
「超・箇条書き」(杉野幹人著・ダイヤモンド社)から
箇条書きの理論を拝借し、

そこで提唱されている「箇条書き」を
資料へ落とし込むにはどうしたらよいか?
について、解説していきたいと思います。

※以下、引用部分は全て「超・箇条書き」からです。

グルーピングの切り口

箇条書きといっても、ただ思いつくままに要点をだらだら~と連ねても、
文章を長々書いているのと同様、相手には伝わりません。

箇条書きには、「読み手や聞き手の情報処理の負荷を減らす」という機能がある。

いくら箇条書きにしたからといって、
「読み手や聞き手の情報処理の負荷を減らす」機能がない箇条書きは、
箇条書きとはいえないのです。

というわけで、箇条書きを作成しよう!と思ったら、

まずは、思いつくまま書き出して、
それらを、内容が似たもの同士でくくっていきます。

これを、「グルーピング」というのですが、

しかし、このグルーピングがなかなかの曲者(ーー;)

方法がいくつかあるのですが、
「超・箇条書き」で一番最初に紹介されている、
「自動詞と他動詞」でくくっていく方法で考えてみましょう♪

「自動詞」と「他動詞」で分ける

これは、ある会社の営業会議での報告内容を箇条書きにしたものです。

  • 月間売上目標が未達だ。
  • 既存顧客に対する統一提案書が不在だ。
  • 営業部が、マーケティング部に、提案資料の作成を依頼する。
  • 競合他社の商品は好調に推移している。
  • それ以外のことは、営業部が経営会議に報告して、方針を仰ぐ。

勿論、これでは、理解するのに時間がかかるので・・・

これらを、自動詞と、他動詞でグルーピングします。

自動詞と他動詞で分けるということは、つまり、

自動詞=そのときの状態
他動詞=誰かが何かに影響を与える行為

「状態」と「行為」を分けることになります。

すると、前述の例は、以下のようになります。

自動詞グループ
・月間売上目標が未達である。
・既存顧客に対する統一提案書が不在である。
・競合他社の商品は好調に推移している。

他動詞グループ
・営業部が、マーケティング部に、提案資料の作成を依頼する。
・それ以外のことは、営業部が経営会議に報告して、方針を仰ぐ。

更に、グルーピングされた内容の時制(時間の流れ)を正しく入れ替え、
全体像をより掴みやすくするために、タイトルに数字を入れて整理すると、

3つの問題点が議論された
・月間売上目標が未達である。
・競合他社の商品は好調に推移している。
・既存顧客に対する統一提案書が不在である。

2つの対応が決まった
・営業部が、マーケティング部に、提案資料の作成を依頼する。
・それ以外のことは、営業部が経営会議に報告して、方針を仰ぐ。

最初のだらだら書き出した箇条書きに比べ、
内容がすっと頭に入ってくる!と思いません?ここまでが、箇条書きの理論のお話し。
もっと、きちんと詳しく知りたい方は、「超・箇条書き」を読みましょう~♪

箇条書きをビジュアル化する、パワーポイントの知識

さて、やっとここからが、資料作成のお話しが始まります。

先程の箇条書きを、資料にしなければならなくなったという前提で、
説明を続けていきます。

とりあえず、パワポを開いて・・・
出来上がるのが、こんな感じ。

結構、よく見るスライドちゃん(ーー;)

bullet_before折角、箇条書きの理論に沿って作成した内容を、

一気に台無しにする、そのまんま貼りつけ。。。。

こんな代物では、内容が伝わっても、食欲減退、
文章を書き連ねた、台本スライドと、たいして変わらない。

というわけで、グルーピングの因果関係も明白にして、
これくらいは作りたい!!!


スライド2
このスライドを作成するために必要な知識は以下の通り

デザイン知識
・フォントタイプの選択基準
・配色理論
・図形による装飾(メリハリ)
・文字のジャンプ率

パワポ技
・箇条書きツール
・文字の行間設定
・図形の効果
・図形の結合
・配置

え~、そんなにあるの?

と逃げ腰になる方も多いと思いますが・・・

逆に、これをマスターすれば、
資料作成で使用頻度が高い「箇条書き」を自在に操ることができる!のだから、
大人しく、マスターしたほうがよい❤

でしょ?

ということで、上記の技は、
以降で徐々に紹介していきます!

お楽しみに~♪♪♪

参考文献:「超・箇条書き」(杉野幹人著・ダイヤモンド社)

 

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投稿者プロフィール

maki-ichikawa
市川 真樹プレゼン資料コンサルタント
プレゼン資料作成のスペシャリスト。
見栄えを上げる「パワーポイント術」、人や組織を動かす「スライド理論」、魅せる×伝わる「デザインの知識」をベースに、スライド作成代行サービス、企業研修・セミナーを展開中。