プレゼン資料の見える化⑤モヤモヤする図解
プレゼン資料は、情報を「見える化」するためのツールである。
しかし、最適な方法で「見える化」されていないと、情報が分かりにくくなり、複雑だなという印象を与え、相手の思考を停止させ、理解しようという気持ちを奪っていく。そして最終的には、あなたの提案力を低下させてしまうのだ。
今回は、「見える化」が最適でないとはどういうことか?について、考えていきたいと思う。
モヤモヤする図解
何かいいネタはないものか…と、ネットサーフィンをしていると、このような記事が目に留まった(一部、情報を加筆しています)
そして、その下には、このような図解が掲載されていた。
この図解を見たとき、何かモヤモヤとした気分になった。この違和感は、どこから来るんだろう?
最初は、ピラミッドの選択が間違っているのだと思った。しかし、縦軸に時価総額、横軸に会社数をイメージして作成されており、分かりやすい選択といえる(ピラミッド以外にも選択肢があるのでは?とあれこれ考えたが、この記事の図解としてぴったりハマるものが、思いつかなかった)
では、このモヤモヤは・・・なんなんだ?
モヤモヤの正体
しばらく眺めていると、これは、「変化を起こす方法」の説明が、「変化の原因」を説明する方法で、「見える化」されているためだということに気づいた。
つまり、本来ならば、以下のBの方法で「見える化」されなければならない内容なのに、Aの方法が採用されているのだ。
丁寧に説明すると、この図解は、以下のようにAのパターンが採用されているが、
本当は、Bのパターンを採用しなければ、分かりくくなってしまう。
なるほど、モヤモヤ解消!!! ああ、すっきりした♡
適切な「見える化」
では、Bのパターンを使って、記事を「見える化」していこう。
「見える化」は、「パラグラフ、文章、文節、単語の関係性を明示する」ことからスタートすると、過去のブログ記事でも述べてきた。
まずは、この記事を文章(句点)で区切り、その内容を整理する。
この記事を「見える化」するためには、「ゴール」⇒ゴールを達成するための「課題」⇒課題解決のための「方法」⇒「結果」 の順番で、関係性を明示するのが良さそうだ。そこで、前述のBのパターンを採用して、「見える化」すると、こうなった。
今回の記事は、東証1部にフォーカスしており、それ以外の市場については、結果しか記載していない。本来なら、東証1部以外の市場についても、課題と解決策を加筆したいところであるが、そうすると、1枚の資料の情報量が多くなりすぎて、ごちゃごちゃと分かりにくくなるので、次のページに回したほうがよさそうだ。
そのため、東証1部以外の市場については、結果だけは表記するものの、グレー調にして強調度合いを落としている。
最後に、ポイントを整理すると、以下のようになる。
以上、モヤモヤする資料とはどういうものかを、体感していただけたのではないだろうか。
他人の作った図解を見たとき、ちょっとでもモヤモヤしたら、自分の直感を信じて、その原因を探ってみてほしい。
そんなクセをつけておくと、「見える化」の技術はどんどん向上して、分かりやすく伝わる資料が作れるようになるはずだ!
さあ、一緒に頑張りましょう、どこまでも~~~♪♪♪
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投稿者プロフィール
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プレゼン資料作成のスペシャリスト。
見栄えを上げる「パワーポイント術」、人や組織を動かす「スライド理論」、魅せる×伝わる「デザインの知識」をベースに、スライド作成代行サービス、企業研修・セミナーを展開中。
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