プレゼン資料で「フローチャート」×「表」を作るときのポイント
先日、某省庁の研修で、「フローチャート」と「表」の組み合わせ方についての質問を受けた。
その時は、さして悩みもせず修正版を作成し、受講者の皆さまにポイントを解説した。
しかし、研修での解説の途中、なにやらモヤモヤした気分になり、似たようなケースを見るたびに、同じモヤモヤに襲われた。
確かに私は丑年だが、だからといって胃の内容物を戻して、何度も噛み直している場合ではない。。。
というわけで、モヤモヤにきちんと向き合うことにした。
フローチャートだけを採用した図解
モヤモヤの原因となった元資料を、まずは見ていただきたい。
時間を縦に流したフローチャートを採用し、「市の都市計画案」が、どのような確認プロセスをたどり、結末を迎えたかを説明したプレゼン資料である。
※この資料は、実際に用いられたものではなく、図解のパターンだけを採用し、内容は独自に作成した架空の資料である。
この資料をわかりやすくするために、あなたなら、どうするだろうか?
A市、B市、C市のように、同じ項目が重複して登場している場合は、「表」で整理する可能性をまずは考えてほしい。
表の役割は、要素を整理し、「比較」できる状態にすることにある。
ちなみに表を採用するのであれば、比較したい項目を横軸にとるのがルールである。
この件については、過去の記事「プレゼン資料の「表の作り方」縦軸と横軸どっちがどっち?」を参照いただきたい(以下、要点抜粋)
プレゼン資料を見た場合、視線の流れは、まずは左上にぽーんといき、その後、右側に流れる。
そのため、比較したいものを横軸に並べると、視線の流れに沿っているため、比較しやすい・・・というより、無意識に比べてしまう。
逆に、比較したいものを横軸に並べないと、その違いを、違いとして認識しずらくなるのである。
フローチャートと表を組み合わせた図解
それでは、縦軸に時間(フローチャートをそのまま採用)、横軸に各市を配置した図解に整理してみよう。
情報量については、ザクりと削りたいところが、お役所資料の場合は、削除・要約ともに許されないケースが多々あるので、重要ポイントのフォントサイズを大きくして、そこだけ読めば、大体の流れを掴めるようにするにとどめた。
そして、各市をより差別化するために、別々の色で塗りつぶした。
これで、時系列に沿って各市がどのようなプロセスを踏んだかを、簡単に比較することができるようになった。
しかし・・・ここから私のモヤモヤが始まった。
丑年の本領発揮である。
この資料を作った人は、果たして各市をプロセス毎で「比較」したかったのだろうか?
つまり、以下のような「比較」が、意図するところだったのだろうか?
時間を横に流したフローチャート
この資料を用いたプレゼンテーションが、各市のプロセス毎の「比較」を目的としていれば、上記で問題はない。
しかし、ただ単に、各市のプロセスを事例として紹介したかっただけであれば、これでは間違いとなる。
その場合は、以下のようにするのが正解だ。
これであれば、視線の流れにそって、各市のプロセスがすっと頭に入ってくる。
もし、横軸の要素を比較するという「表」の役割の視点で説明するのであれば、
「市の都市計画案」、「県の指摘事項」、「協議結果と今後」の中で、計画案がどのように変化していくのかという「比較」がされていて、その比較の連続がプロセスとして理解されていくわけである。
まとめ
「フローチャート」×「表」を採用する場合、時間軸を、縦/横のどちらに流すか?
それは、プレゼンターの意図によって左右されるため、どちらかに限定できるものではない。
「比較したい要素を、横軸にとる」というという、表の性質をそのまま適応するのがベストとなる。
それさえ念頭に置いておけば、「フローチャート」×「表」の図解を、あなたも迷わず作成できるはずである。
過去の類似記事「プレゼンの資料の「フローチャートの時間」縦/横 どっちに流す?」も、併せてご一読ください。
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プレゼン資料作成のスペシャリスト。
見栄えを上げる「パワーポイント術」、人や組織を動かす「スライド理論」、魅せる×伝わる「デザインの知識」をベースに、スライド作成代行サービス、企業研修・セミナーを展開中。
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