【コラム】プレゼンテーションのNG集

雨降りの土曜日。

進行中のプレゼン資料は、お客様の確認待ち。ぽっかり時間が空いてしまった。

特にすることもないので、スライドちゃんでもひやかそうと、資料喫茶へ行くことにした。

雑居ビルの地下にある資料喫茶。カランカラ~ン♪と扉を開けると、もの凄く不機嫌そうなスライドちゃんが、カウンター越しに唸っていた。

機嫌悪し

客商売で、この感じの悪さはどうなのだろう?と思いつつ、家に帰っても暇なので、声をかけてみる。

ねえ、スライドちゃん、どうしたの?

ふくれっ面のスライドちゃんは、私を軽く一瞥してから、大きくため息をついて、語り始めた。

先日、とあるプレゼン大会でスライドのバイトをしたんだけど、そこで、ひどい扱いを受けちゃってさ。そのダメージから、まだ回復してなくて。

ふ~ん、大変なんだね。そして、そんなバイトがあるのか。。。

まあ、聞いてよ。まず、その会場には、演台があってね・・・

演台でプレゼンする決まりはないんだけど、半分くらいの発表者が、演台から一歩も動かないわけ。

演台の発表者と私(スライド)の間の距離が遠すぎるから、聞き手は、代わるがわる見なくちゃいけない。

演台でプレゼン

聞き手にあんなに首振りさせちゃ、彼らはプレゼンに集中できないし・・・見ているこっちまで首が辛くなってきちゃった。あれじゃあ、絶対に伝わってないね!

 

でも、残りの半分は、私の隣まで来て、プレゼンをやってくれたんだけどね・・・

スライドにかぶる

私にかぶっちゃって、まだら模様になってるのに、離れない。本人だって、眩しいだろうに。。。

聞き手だって、情報が見えにくくなるし。せっかく、スライドと一体になってプレゼンできてるのに、本当に一体になっちゃ、いかんよね~~~

 

あと、こんなこともあったの。

薄くて読めない

薄い色を選択したせいで、プロジェクターに映らない。

PCで作成しているときは、薄い色でもくっきり映って、綺麗なスライドだったんだろうなとは、想像できるんだけどね。

映らない色

パレットの一番薄い部分は、映らない場合が多い。そして、二列目も、プロジェクターや、会場の明るさによっては、危険だよね。

もし、会場で確認できるなら事前確認すべきだし、確認できないなら、濃い目の色を使用したほうが無難だね。

 

次は、一番、不快なやつ!

レーザーポインターの照準が定まらず、ブレたり、震えちゃったりするパターンね。

なんか、殺し屋に狙撃される前のターゲットみたいな気持ちになるのよ・・・ほんと、やめてほしい!

どうせ使うなら、一発でビシっと指せるようになるまで特訓してから使ってほしい。

レーザーポインター

 

大体、聞き手だって、どこを指しているか分からないフラフラする光に、集中力を全部、もってかれちゃう!

 

中には、指し棒を使ってる人もいたけど、、、とにかく、私をバンバン指すのよ!

指し棒

指すのは、本当に重要なポイントだけ。ここぞ!というところを、自分で決めておいて、とっておきで指してほしい。。。

そうしないと、聞き手は、どこが本当に重要なのか分からないし、発表者のジェスチャーとしてのメリハリもなくなるでしょ!

 

そして最後。スライドの私が、どんなに頑張ってもできないことがあるんだけど、分かる?

それは、スライドとスライドの間の関係性を、「つなぎ言葉」で明確にすること。

スライド末やスライドの冒頭で表記しようと思えばできなくもないんだけど、それじゃあ、スマートじゃないじゃない。

それは、発表者の役割だし、つなぎ言葉で上手にスライドがつながっていくプレゼンは、すごく分かりやすい!

これこそ、発表者の腕の見せ所!でもあるんだけど・・・

現実は、こうだった。。。

つなぎ言葉

 

きちんと、前のページを受けて、それがこのページにどうつながるか、スライドの切り替え時に一言加えないと、聞き手は迷子になってしまう。

 

まあ、こんな感じで、魂を削られちゃったわけよ・・・」

 

スライドちゃん、それは災難だったね、お疲れ様。。。

 

でも!と、スライドちゃんが続ける。

愚痴を聞いてもらえたから、さっぱりした! 復活したよ、ありがとう♥

奢りません

これだけ、愚痴を聞いたんだから、ご馳走してくれたっていいじゃないか。。。

なぜか、この資料喫茶にくると、こっちの魂ばかりが削られているような気もするんだけど。。。

でも、いい話を聞いた。

私もプレゼンするとき、スライドちゃんを不機嫌にするのではなく、ちゃんとお互い協力して、聞き手に伝わるようにしようっと♪

 

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投稿者プロフィール

maki-ichikawa
市川 真樹プレゼン資料コンサルタント
プレゼン資料作成のスペシャリスト。
見栄えを上げる「パワーポイント術」、人や組織を動かす「スライド理論」、魅せる×伝わる「デザインの知識」をベースに、スライド作成代行サービス、企業研修・セミナーを展開中。