プレゼン資料の見える化④わかりやすいコース案内

プレゼン資料は、情報を「見える化」するためのツールである。

「見える化」をするためには、「パラグラフ、文章、文節、単語の関係性を明示する」ことがおすすめだ。

関係性の明示方法は、要素をただ並べるだけで表せるものや、要素を矢印でつなぐことで表せるものなどがある。

今回紹介するのは、矢印でつなぎたいのだけれど、真逆の方向が共存しており、さて、どうしようかな…と困ってしまう場合だ。

そんなときは、どちらかを諦める? いやいや、貪欲に両方手に入れなくては!

ということで登場するのが、「展開」の図解。

新入社員研修や、学生向けの会社説明会などで、社内教育プログラムを紹介する人事の方や、各部署の教育担当の方は特に、知っておくと重宝する内容です。

一方向しか「見える化」できていない資料

今回登場する残念な資料は、通訳養成学校の会議通訳コース準備過程プログラムを紹介する内容だ。

一方向

「見える化」の鉄則、「パラグラフ、文章、文節、単語の関係性を明示する」ことは、最低限できているように見える。

コース内容を説明する3つのパラグラフの関係性が、矢印を用いることで、選考試験へ挑戦する「プロセス」として、既に図示されているからだ。

ステップ

実際、社内の教育プログラムなどを紹介する資料に、よく登場するレイアウトである。

しかしこの情報には、実はもう一つ、逆方向の矢印が潜んでいるのだが、お気づきになられただろうか?

逆方向の矢印とは?

逆方向の矢印とは、3つのコースの難易度である。

「Advanced Course」の難易度が高いにも関わらず、それが最下部にきている。本来ならば、難易度が高度なものを、上にしたいところだ。

難易度

しかしこの順序にすると、プロセスが下から上へ向かうことになり、違和感がある。プロセスは、通常、上から下、または左から右へ流れるのが碇石であるからだ。

さて、どうするか・・・、どちらかを、諦める? 

いやいや、そんなときは、「展開」を採用するのがベストだ。

2つの方向を同時に見える化する「展開」

結論から言うと、こうなる。

展開

プロセスを横軸にとり、難易度を縦軸にとり、真逆の方向を同時に「見える化」している。

実際、この「展開」の図解は、パワポのスマートアートにもあるため、目新しさはないと感じる方も多いと思う。

しかし、いざ作成するとなると、最初の残念な資料のように、プロセスの「見える化」にしか成功していないケースが多い。

複数の関係性を、同時に「見える化」するためにすべきは、要素を洗い出し、俯瞰して、その関係性をじっくりと考えること。そして答えを導き出すことを繰り返せば、自分の中にパターンが蓄積され、ぱっと思いつくようになるはずだ。

ということで、「手を抜かずに、せっせと励もう!」という昭和風味にまとめたところで、、、資料作成、一緒に頑張りましょう♪♪♪

【おまけのお話し】
このブログでは、主に紙資料について解説していますが、スライドサイズを「4:3」としてサンプルを作成しています。紙資料に最適なスライドサイズは「A4」です。しかし、多くの企業のテンプレートは「4:3」であり、企業研修の際に、ブログのサンプルをコピペで活用できるようにプレゼントしているため、「4:3」を採用しています。

スライドサイズ「A4」の設定方法は、こちらの記事をご参考にしてください!

 

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投稿者プロフィール

maki-ichikawa
市川 真樹プレゼン資料コンサルタント
プレゼン資料作成のスペシャリスト。
見栄えを上げる「パワーポイント術」、人や組織を動かす「スライド理論」、魅せる×伝わる「デザインの知識」をベースに、スライド作成代行サービス、企業研修・セミナーを展開中。